~この世界を素晴らしく~

本を読み、映画を観て、音楽を聴き子供を育てる。「どこにでもいる誰でもない私」の日常の記憶。

カエルの子を見るカエル


 

最近たまに一番上の娘(小3)と将棋を指す。昨年の暮れぐらいに9マス将棋を買って何度かやってみて、その後も時たま思い出したように対戦していた。先月にスーパーの玩具売り場の目立つところに置かれていた1000円の本将棋セットを買い81マスで対戦している。

 

「子供と将棋を指している」と言うとほぼ必ず「藤井壮太を目指しているの?」的な返しをされる。「全然そんなことないし」と言いたいがそもそも9マス将棋を買ったのも藤井二冠(2020年9月現在)の活躍で増えた将棋番組をテレビで観たからだし、普通なら売り場の隅で埃を被っていたはずの将棋セットが売り場の目立つ場所に置かれていたのも彼のおかげなのだから全くもって意識していないとは言い切れないのかもしれない。

 

とは言え、月並みな親を自認する私がわが娘に望むのは「将棋を覚えて少しは考える子供になってくれないだろうか」くらいのレベルの事だったと思う。

 

これまでの経過は9マス将棋で駒の動きやルールを覚え、本将棋で対局できるところまでは来た。その先の勝負に関してはハンデ(角、飛車、香車、桂馬、銀将無し)をつけてようやく対等なレベルといったところ。

 

「知らないゲームを覚えて遊ぶ」ことについては興味を持てたらしく、わりとスムーズに現状のレベルまでは来た。ただ勝負を楽しむ段階には至ってないらしく、勝つための工夫だったり少し深く考える様子は今のところない。

 

私も自分なりに辛抱強く彼女の興味がわいてくるのを待っているつもりだが、設定したゴールの「少し考える子」にはまだまだ程遠い状態。

 

どうしたらもっと上手くいくのかなぁ、と思いつつも同級生との将棋に勝った試しもなく、負けが込むとハサミ将棋や将棋崩しにゲームを切り替えようとするまるで根気のない自らの少年時代を思い出し、目の前の娘はそんな自分の半分を確実に受け継いでいるのだなとあきらめるような気持ちに少しのうれしさみたいなものが混ざった変な気分で将棋盤の向こうのわが娘を眺めている。

 

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安いプラスチック製の将棋セットは洗い物途中の濡れた手も気にせず将棋を指せる