『十歳までに読んだ本』 西加奈子他 感想
最近週末に子供と図書館に行くことが多い。
5歳の次女が紙芝居好きで毎週違うおはなしを借りに行くのに付き合って近所の図書館に通っている。
一緒についてくる長女(9歳)も自分で読む本を選ぶのだがどうも自分がどんな本が好きなのかまだ見つかっていないらしく割とバラバラなジャンルの本を適当に選んでいる。
すっかり子供の視点を無くしたおっさんの私にも、わが子に勧める本の参考にならないかとタイトルが気になり読んでみた。
小説家を中心に70人の著者が十歳までに読んだ本の中から印象に残っているものを紹介しながらその時自分がどんな子供だったかを振り返るエッセイ集。
児童文学を選んでいる人が多く、ときには同じ本を取り上げる場合もあるが、書く人によって同じ本でも全く違うテイストの文章になっていて面白い。
なぜその本を覚えているのかを大人になってから分析することが自分の人生の出発点を探る行為につながったりしていて興味深い。
私自身を振り返ると子供時代は文学作品にはあまり馴染みがなく、『~大百科』や『~のひみつ』という本やら漫画などを読んで過ごしていた。
でもその中で一冊だけ覚えている本がある。『注文の多い料理店』だ。(割とベタですが。)
たしか小学三年の頃に学級文庫(図書室とは別に各クラス内にある本棚の本)に置かれていた『注文の多い料理店』を繰り返し読んでいた記憶がある。
小学生を過ぎて大人になる間もふとした時にあの物語を思い出すことがあった。
いったいあの本の何が私の心に引っかかっているのだろう?
こんど娘と一緒に読んでみよう、子供の時には見つからなかった何かが見つかるだろうか。